はじめに。
この記事は、自分のフリースタイルをもっといいものにしたい、という方にオススメのものです。
副作用として、練習が苦痛になり、ヨーヨーが嫌いになる可能性があります。それをご了承のうえ、お読みください。

フリースタイルを初めて作るんだけどどうしたらいいんですか、という方は、下の記事からご覧ください。
http://yoyonews.jp/sk/?p=528
 
 
 
さて、JYYF主催の地区リーグも半分が終わり、折り返し地点となってまいりました。
それに併せ、音楽に合わせてトリックをする、というイメージができてきてても、パフォーマンス点=T.Ev・P.Evという壁にぶち当たってるんですが、どうすればいいんですかという声が増えてきた気がするので(実際に問い合わせでもきてたりお店で聞いたり)、ちょっとでもその人たちのヒントというか、考えの足がかりになってくれればと思い、素人の自分なりの解釈と対策をここに書いてみようとしている次第です。
今回のJYYFのルールは、フリースタイルというものをもっと良くしたいという人のためにも非常に参考になる、凄くいい採点ルールだと思うので、大会に出たりしてなくても、漠然と「自分のフリースタイルをもっと面白くしたい・魅力的にしたい」という方々にはうってつけです。ぜひ参考にしてください。
自分はパフォーマーなワケではないんで、完全に素人なり目線なのはご容赦ください。
 
 
 
↓ここから先、ぜひこのページを開きながら読んでください。
http://www.jyyf.org/2012jl/fsrule.html

 
 
 
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いわゆるパフォーマンス点と呼ばれるものは、2種類あります。まずはこちらから。

【技術評価点(T.Ev : Technical Evaluation)】
クリッカーで取ることが困難な、トリック難易度以外の点数を測る技術項目です。正確にいえば、これは「パフォーマンス点」ではないと思うのですが、意識すればするほど評価が上がる可能性があるという意味では、同じかもしれません。

1.クリーンネス (CLN) ストリングとヨーヨーを丁寧かつ綺麗に扱え!
基本は、スローの瞬間からストリングが不必要なたるみ方をしないことと、ヨーヨーが不必要な挙動をしないことです。そこからさらに評価を上げるには、おそらく「失敗したときのストリングの処理を雑にしないこと」が必要なのではないかと推測しています。あくまでトリックの綺麗さが問われるので、もし失敗しても、そのこと自体はこの項目では問われません。むしろ、そのあとのリカバリーが乱雑だと評価が下がりますし(ほどこうとして不必要に絡めてしまったり、ほどけたと思った瞬間に手をおもむろに離してストリングの挙動が汚くなったり)、逆にリカバリーが非常にていねいだと、評価があがるかもしれません。リカバリーも立派なトリックエレメントなので(多分)、普段から、ストリングがピンと張っているか、そのトリックにおいてヨーヨーはもっとも(見栄えも含め)最適なルートを通っているか、それを意識してみてください。
参考:2011年JN4A第1位 スギムラカズアキ選手(ミス・減点0、クリーンネス満点)
 
 
 
2.バリエーション (VAR) 浅くてもいいから広くトリックバリエーションを取れ!
パフォーマンス項目の中では、比較的取りやすいうえに見当もつきやすい項目です。平たくいえば「第三者アングルで見たときに似た動きになるものを消す」ということが大事になってきます。ポイントは、「浅く広く」でOKということ。ただ、無茶に広げてしまうと、トリックの修練度の低さが目に付き、「各々のトリックスタイルは完成度の高いものであったか」に引っかかってしまうことがあるかもしれないので、自身のレベルを見極めることも重要になってきます。高評価を目指すなら、当然「深く広く」が必要となってきますが。
トリックエレメントについては、こちらの記事も参考にしてください。
参考:2011年JN1A第1位 フジサカタツヤ選手
 
 
 
3.レアネス (RAR) 自分しかできないトリックをこなせ!
単純明快!しかし人によってはまったく取れない項目!私のことです。いわゆる「オリジナリティ」ということですね(厳密には違うんですけど)。そのポイントは「自分が発明したと自信をもてるトリックをこなす」「自分しかできないだろうというトリックを自信をもってこなす」こと。しかし、ただごちゃごちゃさせて体をバキバキにしたりするだけでは、高く評価されません。重要なのは、「誰もやってなかった」ではなく「誰もできなかった」ことです。
参考:2008年1A部門世界チャンピオン ジョン・アンドウ選手2010年世界大会第6位 イイズカタカヒロ選手
 
 
 
4.エクスキューション (EXE) ミスをするな!構成通りやれ!
単純明快その2。でも出来たら苦労しねーよ!!!ていう項目ですね。とにかくミスをせず、練った構成通りに事を成せというもの。ここで注意があります。フリースタイル中、予定より尺があまったときなどに、テンションが上がって会場をあおる様な動作をすると、おそらくこの項目は評価が下げられます。なぜならもちろん「構成通りではないから」。この項目の詳細の文面通りに意味を受け取るならば、トリックをミスしなければ良いというだけでなく、フリースタイル全体が台本通りに進めようとしていたかどうかを見られることに着目しなければいけません。ステージの上で動揺しない、経験が何よりものをいう項目ですね。あおりもヨリ調整もポーズも、すべて構成どおりにこなす、もしくは構成どおりに見えるように訓練しておきましょう。フリースタイルが完全に決まりきったとき、テンションが上がってガッツポーズとかしてしまいそうな場合は、構成にあらかじめガッツポーズを入れて、ポーズの仕方も決めておきましょう。そして失敗したときもそうできるように心構えしましょう。嬉しさでたまらずガッツポーズするときは、採点対象にはならない、音楽終了かつキャッチ後です。
参考:2012年CJ4A部門第1位 イワクラレイ選手
 
 
 
【表現評価点(P.Ev : Performance Evaluation)】
本来のパフォーマンス点項目です。トリックではなく、プレイヤーの表現力や観客意識に対する評価と解釈して問題ないかなと思います。
 
1.ルーティン (RTN) 構成を平坦にするな!
構成に関しては、よく「メリハリをつけよう」というアドバイスがあると思います。実際、そう意識することで、フリースタイルは面白くなりますし、この項目も「場面転換の有効活用、序破急があったか」が評価されます。しかし、構成とはそれだけが正義ではありません。……と思うのです。構成というのは、徐々にテンションが上がって最後に会場のテンションを大爆発させるものや、あえて一定のテンポを刻み続けるものもありますし。要するに「面白い構成だったか」が評価されるので、自分が面白いと思って、かつ自分に合う構成の作り方を見出すのが一番なのかなと思います。また、構成が平坦(単調)になるかどうかの注意点なのですが、一定のテンポで「おとなしい→盛り上げ→おとなしい→盛り上げ」を繰り返すと、それは遠くから見れば平坦なので、フリースタイルとしては単調になるかもしれません。この項目の評価は上がれど、実際のフリースタイルの出来は思っていたものと異なるかもしれないので、気をつけましょう。できれば「出だし盛り上げ→おとなしい→盛り上げ→おとなしい→超おとなしい→超盛り上げ」とかになるといいですね。
参考:2011年5A部門世界チャンピオン マツウラタケシ選手
 
 
 
2.ミュージック・ユーズ (MSC) 自分にしか使いこなせない曲を使え!
フリースタイルの肝ともいえる、最重要項目です。どんなフリースタイルでも、曲調とトリックが合った瞬間が、一番盛り上がるんです!そしてそのためには何が必要かというと「このフリースタイルはこの曲でなければいけなかった」と思わせること、「この曲はこの人でないと使いこなせない」という音楽の必然性をうかがわせることでしょう。もちろん、いわゆる音踏みというのも大事です。タイミングに合わせて一発技を決めたり、後ろのビートに合わせてスピーディにコンボを決めたりというのも大事です。それをクリアできたら、ぜひ次は音楽の必然性を追求してみてください。これもクリアできると、一気に完成度の高いフリーになります。
参考:2005年1A部門世界チャンピオン スズキヒロユキ選手2012年CJ1A部門予選第2位 キドシンヤ選手
 
 
 
3.プロフェッショナリズム (PRO) 素人ぶらずプロとして振る舞え!
一見わかりにくく、点数も取りにくい難項目ですね。ただ、この項目が伝えたいことはひとつ「プロらしく振る舞え」ということ。ステージに立てば、自分がどんな人であれ、お客さんにとっては一人の凄い選手が目の前に立つわけです。それにふさわしい振る舞いをしなければいけません。トラッシュトーキングや、トリックが失敗したときに首をかしげたり、舌をペロリと出したり、動揺したり、前後でちゃんと礼をしなかったりというのはもってのほかです。逆をいえば、最低限のステージマナー「常に人に見られている」ということさえ意識して守れば、標準の点数は取れてしまうのではと思います。ただ、この項目では、その振る舞いの完成度やレベルの高さも見られるので、満点を目指すとなると、実際のステージ経験のほかに、プロのパフォーマーの観察と研究や、ダンスやバレエなどの教室での訓練が必要になってくるのではと思います。ヨーヨーの技術だけではまかなうのが難しいというのがポイントですね。
また、バインドした瞬間の手つきなどにも注意が必要ですね。トリックが終わって安心しきって、利き手と逆の手がおざなりになっている方がちらちら見かけます。
参考:2010年JN4A優勝 オカダナオト選手
 
 
 
4.ラージネス (LRG) ステージを「有効活用」せよ!
ラージとはその通り「大きい」という意味ですので、ステージを動き回ることで高く評価される……と解釈してしまうかもしれませんが、そうではありません。ここでも「必然性」が重要になってきます。体が動いたとき、どんな些細なことでもいいので、動いた理由があったかどうか。もしくは動かない理由があったかどうか。それが重要になってきます。ステージを「有効活用」すればいいわけですから、構成上絶対に必要なら(客の視線を一点集中させたい、動き回ることが雰囲気に合っていない等)、ステージの上で一歩も動かなくてもいいわけです(多分)。ただ、それによってトリックが小さくなったりして見づらくなると「トリックは見やすいよう大きく表現されていたか」に引っかかって評価が下がるかもしれないので、注意が必要です。
参考:2010年JN2A第1位 フルカワヤスシ選手2008年3A部門世界チャンピオン ミヤモトヒロキ選手(動かないFSの一例)
 
 
 
5.スタイル (STL) 自分ならではのスタイルを確立せよ!
トリックエヴァリュエーションに「レアネス」がありましたが、こちらはフリースタイル自体の独自性を問われます。つまり、「この人でしか見られないフリースタイルだったか」を評価されるわけですね。自分のことを猛プッシュするフリースタイルを作ろうと意識すれば、高配点が期待できるかと思います。また、トリックのレアネスが取れなくても、こちらが取れるという人もいると思いますし、逆もしかりだと思います。まずは伸ばしやすい方から伸ばしてみてはいかがでしょうか。ちなみに、ミュージックユーズと合わせやすいので、まずは音楽探しからスタートするといいかもしれませんね。最終的に思い通りの曲が見つからないと、自分がどれだけ音楽に合わせられるか、という力が問われたりもしますが。
参考:2010年1A部門世界チャンピオン ジェンセン・キミット選手
 
 
 
6.ショーマンシップ (SHW) とにかく観客を楽しませろ!
観客を楽しませる工夫をどれだけしていたか。それを評価するのがショーマンシップです。衣装を見て、音楽を聞いて、どんなストーリーか・テーマかを想像させ、お客さんの脳内を揺さぶりまくるのです。ストーリーとかテーマとかいうと難しそうに聞こえるかもしれませんが、テーマなんて伝わりさえすれば「俺が世界一ヨーヨーが巧い」とかシンプルなのでいいんです(多分)。それを伝えるために何かしら工夫をしていますよ、ということを伝えることが、この項目で高評価を叩き出させるうえでの最重要事項です。満点を目指すなら、そこに「観客を惹きつける工夫」が必要になります。そのためには、衣装を音楽と構成に合わせたり、フリースタイルをストーリー仕立てにしたり、観客が予想だにしないようなサプライズを用意したり(ルールで許される範囲で)、といったことが必要となるでしょう。そしてなにより、実際に観客が楽しめるものだったかどうか、ウケるものだったかも評価される(と思う)ので、ハマれば超高評価、そうでなければ超低評価にと、バラつきがありそうな項目ですね。
参考:2011年世界大会4A部門 ベン・コンデ選手
※日本ではステージへのヨーヨー以外の持込みは禁止されています。
 
 
 
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というわけで、自分なりの考察を書きたくってみました。あくまで俺が「こうすれば高評価を得られるだろう」という推測を書いただけなので、実際にジャッジしてもらったらまったく違う結果になる可能性だってありますんで、あまり鵜呑みにしないほうがいいと思います。ただ、これは俺なりに「こうすればフリースタイルは面白くなるだろう」ということを含めて書いてます。ルールがどうあれ、結果として良いフリースタイルを生むきっかけになってくれれば幸いです。

「ここは違うやろー」といったご意見も含め、ご意見ご感想はコメントにて受け付けています。どしどし投稿ください。また、よければ他のジャッジ・フリースタイルのカテゴリ記事もお読みいただければ、大変嬉しく思います。

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2009年ヨーヨー世界大会チャンピオン。