インターネットを通じて、ヨーヨーのことをまったく知らなかった人がヨーヨーを手に取ったり、プレイヤーはモチベーションを高めあったり、全国大会や世界大会に出場するトッププレイヤーたちが世に出たりと、もはやヨーヨーにとって、インターネットは欠かせないものとなっています。そしてこれは、決してヨーヨーだけではなく、ほぼすべての業界に通じて言えることでしょう。インターネットを通じて知り得た情報は、いまや日常生活では欠かせないものとなっています。
そんなインターネットがいま、脅威に晒されています。オンライン海賊行為防止法案「SOPA – Stop Online Piracy Act」が米国議会に提出されたからです。米国内では、これに対する抗議活動が活発化しています。
この法案は、カンタンにいうと「著作権を侵害しているようなサイトを、強制的に排除できる法令」ということです。たとえば、アメリカ政府があるサイトを「著作権を侵害しているサイト」と認めると、そこへのアクセスを提供しているサイトは、そのサイトへのアクセスできなくなるようにするよう処置をせよ(ブロックせよ)、という命令が下されます。これにより、不正サイトを撲滅させるという狙いがあります。
「あくまでアメリカでの問題で、日本では影響がないのでは?」という疑問が湧く方もいるのではと思います。確かに、あくまでアメリカの法案の話ですから、アメリカのサイトから不正サイトへのアクセスが遮断されるだけで、一見日本には影響がないように思えます。
しかし、普段から日本人でも利用者が多いと思われるサイトは、実は多くはアメリカから生まれたものです。例えば検索エンジンのGoogle、インターネットユーザーが作る百科事典のWikipedia、世界中の人と交流できるFacebookやTwitter、そしていまや知らない人は居ないであろう動画サイトのYouTubeなど。これらのサイトが、政府により、自由に情報を閲覧できなくなる可能性が非常に高い点が危惧されています。日本語版のGoogleでさえ、サーバーはワシントンDCにあるそうです。
さらにこの法案では、「著作権保持者でなくでも訴えることが可能」であり、悪意ある第三者が、ほぼ無差別的に悪意のないサイトを訴え、閉鎖へと追い込むことが可能なのも、重要な点です。(実際に著作権を違反しているのであれば、たとえ悪意がなくても訴えられるべきではありますが)
→SOPAについて詳しくは、わかりやすくまとめられているコチラのサイトをご覧ください。
さて、それではヨーヨーの世界には、具体的にどのような影響がでるのか。それについてまとめた記事を、アメリカのヨーヨー情報サイト「YoYoSkills.com」が掲載しています。
これによると、SOPAという法案は、掘り下げていけば、ロゴの入ったヨーヨーをサイトに載せたり動画に載せたり、カスタマイズされたヨーヨーの情報を載せるだけでも違法と扱われてしまうとのことです。本当にそうなれば、もはや、ヨーヨーのサイトでもヨーヨーを映してはいけないという異常事態です。
こうした事態を全力で阻止するため、アメリカの多くの大手サイトでは署名活動を行なっていたり、サイトの表示を停止(ブラックアウト)させたりといったカタチで抗議しています。とくに、Wikipediaでの「Image a World Without Free Knowlege(情報が自由に得られない世界を想像してみたまえ)」というメッセージと共に一日ブラックアウトしたことは、世界中で話題となりました。
→産経:SOPAやPIPAに対する抗議行動が拡大、Facebookも反対表明
毎日一億人以上ものアクセスがあるサイトが一日閉鎖したことは、多くのインターネットユーザーにとって大打撃となることは必至です。それを覚悟のうえでも、実施しなければならないほど阻止しなければならない法案である、という意志が強く伝わってくる事件です。
そしてYoYoSkills.com自身も、このSOPAへの抗議活動に参加すると表明しています。
確かに、昨今の有象無象に音楽などがアップロードされ放題な不正サイト事情は目に余るものがありますが……。なんにせよ、全てが丸く収まってくれると良いのですが。
→よければ、同時に議論されることの多い「PIPA – PROTECT IP Act」についてもお調べください。
>>SOPAとPIPAがインターネットを破壊する(英語)
PROTECT IP / SOPA Breaks The Internet from Fight for the Future on Vimeo.
http://www.yoyoskills.com/?p=9823
YoYoSkill.com SOPA / PIPA and You